YSN:ゆっくり・しっかり・のこす 
第2回「うごく かさなる “きもの”になる」編

2025.9.25

遠いものと思っていた着物も、角度を変えて見つめると、思いがけない表情があらわれます。そこには、いまを生きる私たちにつながる発見があります。

そんな視点をひらく展覧会が、この秋、京都・室町二条の Gallery SUGATA で開催されます。
創業305年目を迎える矢代仁が、着物の未来を考えるために始動したプロジェクトYSN:ゆっくり・しっかり・のこす」
その第2回「うごく かさなる “きもの”になる」編では、「着る」という行為に焦点をあて、「動きとシワ」「着付けのイロイロ」「“着る”の音」「しまいかた」という4つの調べものを紹介します。

着物が人に着られるとき、そこにはどのような現象が生まれるのかーー。
その姿をあらためて考える機会となります。

展示内容

1. シワって、悪いもの?
BASSDRUM(池田航成、小川恭平、毛原大樹)
モーションキャプチャを用い、身体と着物の動きを解析。御召(おめし)がシワになりにくい理由を探りながら、「歩く」と「シワ」を科学と技術から考えます。
協力:安藤隆一郎(身体0ベース運用法/京都市立芸術大学)

2. 正しい着付って?
服部和子きもの学院(服部有樹子、服部青海)+小形道正(大妻女子大学)
生活着からハレ着、コスプレまで、戦後大きく変化してきた「着る」をめぐる常識。着付けの現場と社会学の視点から、「正しさ」とは何かを問い直します。

3. 着物が奏でる音って?
岡本太玖斗(グラフィックデザイナー)
紐を締める音、布が擦れる音……「着る」ことの中にある音を録音・可視化。音から立ち上がる着物の姿を探ります。
協力:武田真彦(サウンドデザイン)、服部青海(服部和子きもの学院)

4. 「(“きもの”の)しまいかた」と、みんなで向き合う
福井裕孝(演出家)+YSN Studio
着物にモヤモヤを抱く5人の参加者たちと対話を重ねながら行った「上演」(9月2日実施)。そのアーカイブを写真やテキストで紹介します。

トークイベント

10月1日(水)11:00–12:00|プロジェクトチームによるギャラリーツアー
10月4日(土)13:00–13:45|福井裕孝 × わかめかのこ「(きものの)しまいかた」
10月4日(土)16:30–17:15|安藤隆一郎 × BASSDRUM × 矢代真也「動きとシワ」の科学と技術
10月5日(日)13:00–13:45|服部和子きもの学院 × 矢代真也 着付けと「正しさ」を問い直す
10月11日(土)15:30–16:15|服部和子きもの学院 × 小形道正 × 矢代真也「着る」の社会学と着付けの現場から
10月12日(日)16:30–17:15|須田伸一 × 矢代真也 × わかめかのこ「ゆっくり・しっかり・のこす」ためのディレクションと編集
(最新情報はYSNのHPからご確認ください)

開催概要

YSN ゆっくり・しっかり・のこす
着物を考えるための調べもの 「うごく かさなる “きもの”になる」編
会期:2025年10月1日(水)〜12日(日)11:00〜18:00 全日営業・入場無料
会場:Gallery SUGATA(京都府京都市中京区蛸薬師町271-1)
主催:YSN Studio(株式会社矢代仁)
協力:Gallery SUGATA
参加パートナー:小形道正、岡本太玖斗、BASSDRUM、服部和子きもの学院、福井裕孝
ディレクション:須田伸一
アートディレクション:米山菜津子
空間設計:Siin Siin
編集:わかめかのこ
責任編集:矢代真也

矢代仁について

京都室町二条、一七二〇年創業。祖業の「織」を原点に、御召(おめし)などの織物、友禅・刺繍・絞りなどを用いた染物を扱う呉服メーカー問屋。
〒604-0021 京都市中京区室町通二条南入蛸薬師町272-2 075-211-2421
http://www.yashironi.co.jp/
https://www.instagram.com/yashironi_official/