
花椿のローンチイベントでも撮影を担当した写真家・川谷光平が、彫刻家・永井天陽との二人展「The Garden」を馬喰町のparcelにて開催中です。どこか懐かしさを帯びた空間に、彫刻と写真が呼応するように展示されています。
タイトルが示す「庭」は、ふたりに共通するモチーフであり、同時に観る者の記憶や感覚を呼び起こす装置として機能します。両者が扱うのはいずれも人工物。しかしそこから立ちのぼるのは、単なる郷愁ではなく、どこかアメリカの空気をまとった懐かしさや、現代にひそむ違和感です。
永井はガーデンオブジェを出発点にした彫刻を、川谷は「アメリカンフラワー」と呼ばれる造花を撮影した写真作品を制作。異なる表現が交差することで、観る者に新たな見方を想起させます。
ちなみに、川谷氏が撮影する新しいシリーズ「アメリカンフラワー」には、作家自身により制作したものも含まれています。川谷氏ならではの花の静物写真への迫り方にもご注目ください。

Archival pigment print
84.5 x 60 x 4 cm
33 1/4 x 23 5/8 x 1 5/8 in

Archival pigment print
84.5 x 60 x 4 cm
33 1/4 x 23 5/8 x 1 5/8 in

Stuffed animal, Acrylic
36 x 30 x 8 cm
Photo: Riko Takagi
The Garden
永井天陽|Solaya Nagai 、 川谷光平|Kohei Kawatani会期:2025年9月20日(土)–10月19日(日)
時間:14:00 – 19:00(水曜–日曜開廊)
休廊日:月曜・火曜・祝日
会場:parcel(東京都中央区日本橋馬喰町2-2-14 マルカビル2F)
永井天陽
1991年、埼玉県飯能市生まれ。2016年、武蔵野美術大学大学院 造形研究科美術専攻彫刻コース修了。現在は東京を拠点に活動。アクリル材や剥製、既製品など多様な素材を用い、境界が多重に存在するような彫刻作品を制作・発表している。物や出来事へのささやかな疑いをきっかけに、人が無意識に抱く感覚や常識、認識への問いをテーマにしてきた。近年は、工業製品の製造過程で用いられる技術や大量生産される安価な素材に着目し、作品に取り込む試みを展開。自身の感覚的な要素に対して、どこにどのような素材や技術を掛け合わせれば“まだ誰も見たことがないもの”を形作れるのか、その探求を続けている。
https://www.solayanagai.com/川谷光平
1992年生まれ、写真家。東京を拠点に活動。商業的プロジェクトと作品制作という両軸を横断し、交差的な活動を展開している。大衆文化や趣味、商業的なイメージの引用や人工的なモチーフを用いた作品を発表している。KASSEL DUMMY AWARD 2020で最優秀賞を受賞し、受賞作の写真集『Tofu-Knife』を出版。
https://koheikawatani.com/