
美しさへの願いは、いつも静かに、日常のすき間から立ち上がる――。
『花椿』第833号のテーマ「wish」に寄せて、ビューティーライターのAYANAさんに美にまつわるWISHリストをお聞きしました。日々の暮らしにやさしく寄り添うような小さな5つの願いに、アーティスト・岡本果倫さんのイラストが彩りを添えてくれました。
1. 「美しい」のスクラップブックをつくる
どんなこと、もの、人に対して美しいと感じるか。それは生きる時代や、個人のライフステージによって少しずつ変化していくものだと思います。だから今、美しいと感じるものをしっかりと捉えておきたい。風景や人物、ファッション、言葉などを集めてスクラップしておくことで、自分の指針のようなものを客観視できるように思います。
2. フィットネス習慣を持つ
昔はとにかく痩せている人に憧れていて、なんならちょっと不健康でもOKと思っていましたが、年齢を重ね、飛躍的な発想力や好奇心、思考力などはすべて健康な肉体に宿ると痛感。しっかり食べてよく眠り、体を動かすことが大切と心得ています。特にしなやかな筋肉を育てる習慣を持っていたい。今はキックボクシングに通っています。
3. ヘアスタイルを更新し続ける
カット、カラー、パーマのすべてにおいて、新しいスタイルに果敢に挑戦し続けていたい。そうすると、たとえば髪のハリコシが弱くなったときやグレイヘアの進行が目立ったときも、ネガティブに捉えるだけでなく「それならこういうスタイルが楽しめる」と転換できそう。同じスタイルを守り続けると変化が怖くなってしまうと思うので。
4. お気に入りの手鏡を持つ
自分の顔がもともとあまり好きではないのですが、なるべく意識して鏡を見るようにしています。接する頻度が高くなると自分の顔に慣れて、少しだけ愛着を持つことができるようになる。鏡じたいが素敵なものであれば、見ようという意欲が湧くし、所作もいくぶんきりりとします。一生をともにする顔なのだから、仲良くしたいものです。
5. 年表をつくる
これまで自分が何をしてきたのかをどんどん忘れてしまうので、簡単な年表を作っておきたい。その歳に起こった主要な出来事はもちろん、どんなことを考えていたか、何を決断したか、どんなものに出会ったか。自分の理想に改めて自覚的になれるとともに、自分のことを少し他者の目線で眺めるような機会にもなる気がします。
AYANA
ビューティーライターとして、コラム、エッセイ、インタビューなど幅広く執筆。化粧品メーカー企画開発職の経験を活かし、ブランディングや商品開発にも関わる。著書に、エッセイ集『「美しい」のものさし』『仕事美辞』(双葉社)。OSAJI メイクアップコレクションディレクター。
https://ayana.tokyo/
https://www.instagram.com/tw0lipswithfang/岡本果倫
1983年生まれ。さまざまな素材を用いて、物語性のあるインスタレーションや絵画作品を制作し展覧会にて発表している。そのほか、クライアントワークとしてパッケージ、ロゴ、挿絵などのイラストを手がけるほか、アルミのオーナメントの制作や、子どもたちや大人に向けたWSを不定期に開催。
https://www.instagram.com/karinokamoto/