
////
割り切るために並べたスラッシュたちが
なだれこんでくる
_______
意外と重たい
」:
何を見ないふりしていたんだっけ
、
ひと息つくためのほうれい線と
転がって行きそうな文末
。
を留めるために私は喋りつづけて
〉逆さまに〈
↕
////
雪崩は止まった頬が火照る
_______
これはスムーズに滑るための
」:
留めようと思えば留まるし
、
笑顔のためには必要なほうれい線と
優しく置かれた文末
。
の続きは時を止める魔法
〉逆さまに〈
選評/環ROY
コンクリート・ポエトリー、日本語でいう視覚詩の一種だろう。
記号の持つ形が喚起するイメージに注目すると、記号は絵のように見えてくる。その意味で、視覚詩は言葉と絵が渾然一体となった拡張的な表現だと気付く。
基本的な詩の表現とは、活字を紙の上に定着させ、言葉を物質化する行為だ。その際、段落や改行、スペース、句読点によって、読みのリズムを視覚的に操作することがある。これは、詩の本質にデザインの要素が組み込まれていることを示している。
こうした解釈を突き詰めていくと、顔文字やアスキーアートのような表現にも行き着く。それらの現代的な表現の源流は、やもするとコンクリート・ポエトリーにあるのかもしれない。
この詩に導かれ、詩の言語以外の側面を意識しながら、日々何気なく使う言葉の便利さを思い返した。貴重な時間だと思った。